呼吸法の真実


よく「腹式呼吸さえできれば歌はうまくなる!」と標語にも近い文言を耳にします。
はたして本当でしょうか?
まず、呼吸には腹式呼吸と胸式呼吸があります。
腹式呼吸は腹筋や横隔膜の運動によって呼吸すると考えられています。
胸式呼吸は胸郭の肋間筋によって呼吸すると考えられています。
実は・・・、腹式呼吸のとき肋間筋も多少は運動しているのです。
これは、「空気は肺に入る」と言う絶対的な事実があるからです。
息を吸って、肺を通り越し、横隔膜を突き抜け、腹腔に空気が入るひとはいません。
死んじゃいます。
「さあ、下腹に空気を入れて・・・」は、イメージとしてはOKですが、正確無比な表現ではありません。
お間違いなく。
次に、胸式呼吸。
実は・・・、胸式呼吸のときでも横隔膜は常に運動しているのです。
息を吸って息を吐いての『呼吸作用』は、基本的に横隔膜の役目だからです。
どのような呼吸法であれ、呼吸すれば横隔膜は必ず動いています。
ヒトにとって、それが唯一、肺の空気交換の手法だから。
このことから、腹式と胸式は複合的であると考えて良いでしょう。
それらの割合を変化させて最適な呼吸を見つけることをお薦めします。
実際、腹筋の運動性が乏しい方は腹式呼吸が苦手となり、肋椎関節の可動域が小さい方は胸郭が開きません。
つまり個人差も大きい。
この点をお忘れなく・・・
よって「腹式呼吸さえできれば歌はうまくなる!」でなく「正しい呼吸ができれば歌はうまくなる!」なら正解に近づきます。
e0146240_18564136.jpg
おぉ、意味あるのか? この絵!?


e0146240_18571860.jpg
胸郭と腹部のMRI写真




ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)



~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2010-07-24 19:00