触診の妙


外喉頭施療で最も大切なのは「触診」です。
声を出すことは喉の運動。
その動き(主に筋肉)を指で知る。
超詳しい最新の喉頭医学知識を駆使しながら、0.1ミリの違いを指先で察知する能力が絶対いります。
これこそ、わたしが25年間にわたって軟部組織に触れ続けた柔道整復師たる極意です。
最初に開業した接骨院では(平成2年)、多いときに一日234人の患者さんが来院していました。【過去に、このノウハウを教える本が出版されました・・・】
本当に数多くの患部に触れさせていただいたのです。
生半可な数ではありませんよ!
それが、いまの喉頭触診に活かされています。
輪状甲状筋の垂部と斜部のふくらみ具合、反回神経の場所、上喉頭動脈の位置、甲状腺垂体葉の形状など、他のひとには真似できないような触診技術があります。

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練磨された會田の人差し指




ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)



追記1:一般接骨業務では、筋肉や靭帯などの軟部組織だけでなく、外皮からの骨や関節の触診にも長けていました。多くの骨折を扱いました。その中で、コーレス不全骨折をレントゲン使用なしで、見逃すことなく見つけ出していました。これは、転倒して手をついた際に起こる手首に近い腕の骨(橈骨)のヒビ様骨折です。損傷がひどくないため、見た目の変形もなく、見逃されてしまいがちです。しかし、わたしは精密な触診で、軟骨部と骨部のヒビを探し出すことができたのです。多いときは週に1~2人のコーレス不全骨折を扱い、これまでに何千もの症例を経験しました。これぞ世界に誇れる『ほねつぎ』の技術なのです。腰痛や肩こりだけでなく、軽度の外傷はお近くの接骨院をご利用ください。外傷は健康保険が適用されますよ。



追記2:触れる技巧に関しては、桜美林大学准教授山口創先生とも懇談したことがあります。山口先生は皮膚感覚の権威で、触診のように積極的に触れて態を感知することを『アクティブ・タッチ』とおっしゃっていました。



追記3:触れたときの極微細な変化はどうやって感得するのか?
予測の域を出ませんが《指紋と指紋の距離》と《指紋の間にある溝》が関与しているのではと考えます。



追記4:喉頭解剖で、組織固定されていないRaw muscleを多く触れること。これも必須です。以下の絵(写真を絵に変換)は、アメリカ合衆国メイヨークリニック喉頭機能外科教室で、摘出喉頭(解剖は医師)による触診実験です。後輪状披裂筋に触れながら甲状軟骨を遠位回転したときの動き具合を検証している場面。ご献体くださった方のお志を胸に精進しています。
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~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2010-07-10 17:39