水を飲んで喉がゴリッと鳴るひとは要注意!?【改訂版】





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水を飲んで喉がゴリッ(ゴリゴリ)と鳴るひとは、甲状軟骨が深い位置にある可能性が高いと考えられます。
つまり、喉頭深奥ポジション:LDP
甲状軟骨および舌骨は、茎突咽頭筋と茎突舌骨筋(靭帯)で、つり下げられています。
そう空中に浮いてブラブラしていなければなりません。
これらの筋肉が縮んだり緊張しすぎたりすると、甲状軟骨および舌骨が深い位置へ移動し、筋肉の特性によって、そのまま固着化されます。
この状態を深奥ポジションと言います。
深奥ポジションになると、奥方向へ圧迫され、以下のような現象が起こることがあります。
①喉が詰まった感覚になる
②水を飲むと喉がゴリッと鳴る
③声道(息の通り道)が狭くなり、呼吸しにくい
④共鳴腔も小さくなるので、声が響かない、声がこもる
⑤固形物を飲みこみにくい
これは病気ではなく、単なる筋肉の良くない“癖”のようなものですね。
改善は可能です。
もちろん、可否や改善までの時間の長短など、個人差はありますが。
方法は、『のど筋ストレッチ牽引器』『のど柔軟性アップ超音波』などの物療を使用した後、繊細なピンポイントストレッチングが有効。
大切な注意点があります。
まず、茎突咽頭筋はインナーマッスルに属すため、見つけるのが難しく、もし指先で探査できても、正しい力加減を知っているひとは皆無でしょう。
万一、力を入れ過ぎると、茎状突起が折れて骨折します。
この茎状突起は、側頭骨にあり、人間の突起骨の中で最も細い一本です。
まるで楊枝(ようじ)です。
茎状突起の骨折を起こした場合、整復できないため、折れたまま放置することとなります。
また、茎突舌骨筋は、茎突舌骨靭帯と並走していますが、非常に細い筋肉ゆえ、過度の伸長で筋断裂を起こすことが多々あります。
このように、真にデリケートな場所です。
素人アプローチは危険です。
知識無くご自身で強くマッサージして負傷した数々のケースがありました。
十分ご注意ください。
さて、今日は多くを語らず、図でご理解いただきたいと存じます。
毎回そうですが、今回の絵を製作するのに、かなりの労力を要しました。
上から、『甲状軟骨および舌骨の正常位置』。
次に『甲状軟骨および舌骨の深奥位置』。
この2つの位置関係を確認しましょう。
特に上の位置は、喉頭がリラックスし、極上の共鳴空間を得た、理想の状態ですね。
その次は『正常位置の筋図』。
赤い線部が柔軟性ある筋肉で、舌骨に付いている手前の細い筋肉が茎突舌骨筋、甲状軟骨翼のエッジに付いている後ろの筋肉が茎突咽頭筋です。
最後は『深奥位置の筋図』。
両筋肉が縮んで硬くなった様子を見てください。
イメージが湧くよう茶色にしました。
これらの絵で一目瞭然。
何度も何度もじっくり見比べ、得心してください。
それでは、どうぞ!



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追記1:並列すれば見比べやすいのではと考え追加しました。

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追記2:「ゴリッと鳴る現象はいったい何?」
水を飲んだときゴリッ(ゴリゴリ)と音が鳴るの現象を解説します。
茎突咽頭筋と茎突舌骨筋が縮んだり過緊張したりして、喉頭軟骨および舌骨が奥に入り込んでしまうことは理解できたと思います。
水を飲んだとき、甲状軟骨は持ち上がるように動きます。
この動くとき、頚椎前面部と甲状軟骨翼後部が当たって生じるのが、この音の正体です。
もちろん、その間には咽頭収縮筋(主に下咽頭収縮筋)がありますから、はさまれる形になりませね。
実は、食べ物を胃に送り込む食道は、この咽頭収縮筋でぐるっとおおわれています。
したがって、咽頭収縮筋が押されてしまい、食べ物や水が飲み込みにくくなるのです。
また、恒常的な咽頭収縮筋の圧と緊張によって、咽頭収縮筋そのもが硬くなることもわかってきました。
ただし、硬くなったからと言って嚥下障害に陥ることはないので、病気ではありません。
ご心配なく。
しかし、甲状軟骨が奥の位置で固着化するのを助長するため、より良い発声にとっては、大きく不利益となります。
そう、この状態では、極上な声や歌は不可能です。
是非とも改善してください。
最近、この深奥Position〔LDP〕の状態になっているひとが、実に多いのです。
あなたは大丈夫ですか?



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 會田茂樹|あいだしげき

 
by aida-voice | 2017-01-19 10:18