この3つで歌はうまく聴こえる!? (詳解)


これまで、歌がうまいひとの喉をいっぱい調べてきました。
へたなひとと一体どこが違うのか?
かなりわかってきましたよ。
3つの要素がありました。
その3つを駆使すれば、誰でも歌はうまくなります。
いいえ、うまくなると言うより、歌唱力(技術)が無くても、うまく聴かせることができるようになると言ったほうが正確でしょうか。
技術とはテクニックですから、歌うテクニックを完全に習得していなくても、うまく出来てしまうことになります。
ここで、野球の試合に例え、とくに投手の視点から考えてみましょう。
相手は、あなたのはるか上の強豪。
ストレート、カーブ、フォーク、ナックルボールと球種もあり、試合経験も豊富。
それに比べ、あなたは、直球しか投げられません。
しかし、あなたは、ある運動能力を高めることで、その直球のスピードを格段に上げました。
特筆すべきは、初速と終速が違わないこと。
つまり、しなやかな筋肉の腕の振りから投げられたボールは、バッター付近でも球速が落ちず、むしろ手元で伸びてくる感覚さえ与えます。
これでは誰も簡単に打てません。
そして、最終的に投げ勝って、あなたは勝利を手にします。
世間の評価でも、相手チームのほうが戦力は数段上と考えられていたにもかかわらず、あなたは勝ったのです。
見事な投球に、あなたは絶賛を受けます。
例が突飛だったでしょうか。
これと同じように、聴くひとに「素晴らしい!」と言わしめればOKなのです。(歌には勝ち負けはありませんから)
もちろん、あなた自身もストレスなく気持ちよく歌えます。
これも大事ですよね。
その方法は・・・
喉と声の持つポテンシャルをグンとアップさせる。
それに伴い、構えることなく、緊張することなく、自由自在となって勝手かつ自然に歌えてしまう・・・
聴くひとを魅了する、理想的な歌声ですね。
その重要な3つが以下です。

①Vibrato
②Husky
③Fade-out

さて、解説します。
獲得方法や実行は、当サロンで個別にアプローチおよび指導していきます。
①のVibrato。
多くのひとは、Vibratoをテクニックだと知っています。
そう、その通りです。
では、もっと正確に、何をしているのでしょう?
詳しくは過去報告を参照してください。(目次集のビブラート項目をご覧ください)
手法分類として、ボリュームビブラートとピッチビブラートを解説したことがあります。
今回の要素としてキーワードは、ワードビブラートとフレーズビブラートの融合にあります。
簡潔に言えば、歌詞の単語単位Vibratoと句単位Vibratoです。
どの場合も、輪状甲状筋の活発な運動性が必須です。
呼気コンだけでVibratoを行うと、上記の融合がうまくいきません。
輪状甲状筋を十二分に使ってくださいね。
ここでチェックです。
輪状甲状筋を使ったVibratoかどうか調べる方法です。
甲状軟骨正中下端と輪状軟骨正中上端の陥没部位に、人差し指の先端腹をそっと差し入れ、Vibratoを行っているときの感触を察知します。
正しくできていれば、輪状甲状関節の屈曲とスライドが感知できます。
ただし、相当の繊細なタッチを感じ取るアクティブタッチの精度が必要ですよ。
なお、甲状軟骨そのものが上下する方は、上手なVibratoでないことを知ってください。
Vibratoの運動を、科学的に解説しだすと、どれだけ紙面があっても足りません・・・
ここでは、このくらいにしておきましょう。
次は②のHuskyです。
これも、多くのひとは、もともと生まれつきの声質だと思っているはずです。
もちろん、声門閉鎖不完全タイプや披裂軟骨過内転タイプでHuskyな声のひともいるでしょう。
さらに、声帯結節や声帯萎縮などの音声障害を原因とすることもあります。
ところが、ここでの要素としてのHuskyは、自己操作にポイントがあります。
つまり、“かすれ”を自在にコントロールするのです。
この方法は、後輪状披裂筋と外側輪状披裂筋のバランス運動。
そして、このバランス運動を完成させるためには、甲状軟骨周辺筋の柔軟性が絶対に必要なのです。
かすれをうまく使って、やり過ぎず取り込むと、音声に色艶がでてきます。
そうそう、巷で言われるエッジボイスやボーカルコード(声帯)のダブルテンションメソッドも、このあたりの筋肉の運動によってなされます。
方法は、当サロン内でお教えします。
ただし、喉頭周辺筋が十分な柔軟性と運動性を有している方のみ限定です。(喉が硬いひとには無理!)
最後の③Fade-outです。
これは、呼気圧の操作と各共鳴腔を連動させればうまくいきます。
優秀なあなたならすでに気づいていると思いますが、PP(ピアニシモ)もこの範疇に入ると言っても過言ではありません。
消えそうで消えない、しかし、線がはっきりしている音。
音圧0になるまで、キチンと聴こえる。
曲の最後だけでなく、各所で使いこなせば、徹底的に磨き込まれた極上の歌になることでしょう。
そして、これらを余裕綽々で達成させなければなりません。
それには、横隔膜の運動能力アップ。
なお、声帯振動率も重要で、声帯粘膜によるFalsetto techniqueが有効ですね。
日本人の胸郭はFlatness typeが多いため、適切に動かさなければ、呼気を100%使いきった歌唱は難しくなると思ってください。
呼吸に関して、当サロンの来院者には、肺活量アップのアプローチを全員に行っています。
歌手だけでなく、アナウンサー・ナレーター・声優・俳優・一般の方々にも敢行しています。
この理由は、「声にとって、呼吸は重要な能動活動」との認識からです。
そうです、上の3つを自在に駆使すれば、他者に歌をうまく聴かせることができます。
出来上がるまでは大変ですが、体得してしまえば簡単。
そう、鉄棒の逆上がり程度・・・?
お試しください。

e0146240_022124.jpg
Let's challenge it.





ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




追記:丹念な調査の結果、何もトレーニングをしていないのに、もともと歌がうまいひとは、この3つ(ときに2つ)をうまく使いこなしているケースがほとんどでした。けれども、そのようなひとは、この3つの手法を使っていることを知りません。「えっ、何も練習していないけど、だって出来ちゃうもん!?」
うらやましいかぎりです・・・




~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2010-05-16 03:39