ボイストーク With JOY Part3


テレビやラジオで活躍中のグリーンウッド・ジョゼフ (通称 JOY:ジョイ) さんと対談しました。
JOY君は、以前より、当サロンでボイスケア (施術) を受けており、今般、ご許可をいただき、彼のいだく声に関する素朴な疑問を、トーク形式でお答えします。
実際のトークでは、説明不足になった内容を付け加え、編集してアップしました。

JOY君は、非常に優秀な喉 (大きさと形状) をお持ちのタレントさんで、とても素晴らしい声をしています。
歌手でもあります。
本当にセクシーな音色です。
ファンの皆さんに喜んでいただくために、さらに良い声になるよう当サロンでメンテナンスをしているのです。
この先、もっともっと多くの方々に、感動を与えるステキな声になるでしょう!

さて、第3回目は、腹筋・背筋です。


JOY
こんにちは。

會田茂樹
こんにちは。

JOY
今日も、施術とお話をよろしくお願いします。

會田茂樹
承知しました。
最高のアプローチをしますので、声は任せてください。
そうそう、JOY君のブログを拝見しましたが、インフルエンザにかかったそうですね。
お身体はもう大丈夫ですか?

JOY
はい、40度以上も熱が出て、救急車で運ばれましたよ。
でも、もう大丈夫です。
完治しました。
今じゃ、ピンピンしていますよ。

會田茂樹
さすが、サッカーで鍛えた身体ですね。
ところで、最近の統計観察で、喉周辺の筋肉が硬いひとは、風邪をひきやすいことがわかってきたのです。
風邪は、おもにライノウイルスが原因で、インフルエンザウイルスと同様、飛沫による粘膜から感染します。
どうして感染しやすいのか?
喉の筋肉が硬くなると、甲状軟骨と舌骨が、深い位置に移行します。
深くなると、甲状軟骨と舌骨の間がせまくなる傾向が確認されています。
そこには、上喉頭動脈という、声帯や内喉頭に血液を送る血管があるのです。
その血管壁がはさまれるように圧迫を受け、血液循環が少し悪くなります。
そうなると、内喉頭の分泌液の量が減少して乾燥が進むことと、組織への酸素や栄養の不足によって免疫力の低下が懸念されます。
さらに、粘膜についた細菌やウイルスを体外へ排出する繊毛の運動能力も低下するかもしれませんね。
つまり、風邪をひきやすくなるのです。
JOY君の場合、最近の大活躍による肉体の疲れと、少し喉が硬い部位があるため、感染しやすかったのかもしれませんね。
喉に柔軟性がでてくれば、さらに声が良くなると同時に、風邪にも強くなるかもしれませんよ。

JOY
そうですね。
体力と喉の柔軟性をつけて、病気には十分に気をつけます。
さて、今日の質問です。
声のために腹筋と背筋は鍛えたほうがいいのですか?
腹筋の場合、表面ではなく、奥の筋肉が強化されると、声に良いと聞いたのですが・・・

會田茂樹
なるほど・・・、腹筋・背筋と声の関係ですね。
まず、声に関係する運動筋群は二部位あります。
一つは喉の周辺の筋肉、もう一つは呼吸のための筋肉です。
喉は音作りの源 (みなもと) で、呼吸はその動力源になります。
呼吸だけについて語ると、2時間はかかるでしょう。
喉ニュースにも、声と呼吸に関する記事をたくさん載せていますから、読んでみてください。
さて、腹筋と背筋は、その呼吸にかかわってきます。
それは、誰もが知っていることです、が・・・!
実は、呼吸に大きくはかかわっていないのです。
呼吸している筋肉は、肋骨周辺にある外肋間筋・内肋間筋・肋下筋・胸横筋・肋骨挙筋・上後鋸筋・下後鋸筋・横隔膜の八つの筋肉なのです。
腹筋には、外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋・腹直筋の四つがあり、腹部の圧収縮・内臓の保護を主とした役目を担っています。
そして、通常の呼吸ではなく、深呼吸・スポーツ・歌唱などの強い呼気時だけに呼吸に関与して使われます。
また、背筋は脊柱起立筋をメインとして数々の多裂筋で構成され、脊柱の伸展や骨盤の運動など、姿勢を保つ目的で存在し、呼吸には関係していません。
したがって、ちまたで言われている 「腹筋を鍛えると声が良くなる」 は一部まちがっています。
強く吐き出す息、そのように歌うときは、腹筋を使いますが、ふつうにしゃべるときは、胸郭の筋肉のみで、腹筋は使っていません。
腹筋を鍛えて、思い通りにコントロールすることができれば、オペラ・声楽・ゴスペルなどのマイクを使わず大きなホールで歌うジャンルや、ロックやヘビメタのシャウト系の歌などの歌唱には役立つでしょう。
しかし、ふだんの声には大きく関わってきません。
ましてや、背筋の出番はなかったのです。
ただし、背筋が弱ると、姿勢が悪くなります。
姿勢が悪いと・・・、たとえば、猫背になると胸の筋肉の動きが悪くなりますから、呼気圧も下がって、声も出しにくくなります。
呼気圧というのは、息を吐き出す圧力です。
厳密には肺活量とは異なりますが、簡単には息の量が減ると考えてさしつかえありません。
管楽器、トランペットで吹く息が少ないと、楽器はうまく鳴りませんよね。
これと同じです。
そのほかに、不良姿勢のために腰痛になることもあります。
腰痛の症状によっては、横隔膜の動きも悪くなることもわかってきました。
横隔膜は、おわんをひっくり返したようなドーム状であるのは知っていると思います。
でも、本当は、おわんでなく、お味噌汁などをよそうお玉のように柄がついているのです。
その柄の部分が、腰の骨 (第3腰椎) の前面についていて、硬い腱様の膜からできています。
腱様とは、アキレス腱や手の腱鞘炎の腱と同じ成分でできています。
それも、一本ではなく、二本の強靭な脚になっています。
したがって、腰痛によって、この腱脚が弱ってしまい、横隔膜の動きが低下し、結局、呼気圧が下がって、声に悪影響をおよぼします。
まとめると、「腹筋・背筋の強化は、直接、呼吸や声を良くするのもではないが、強化することによって、良くなる条件が整うであろう」 となります。
このようなことから、表面や奥の腹筋に相関はないと考えます。
ちょっと難しかったでしょうか・・・

JOY
よくわかりました!

會田茂樹
さすがJOY君ですね。
最近は、喉と声のことを、ずいぶん勉強されていますね。
自分の状態を正しく知れば、「どうすれば声が良くなるのか」 がはっきりわかってきます。
それを知って当サロンの施術を受けるのと、知らずに受けるのでは、効果が大きく変わってきます。
それら複合的な成果もあって、この頃、JOY君の声はメキメキ良くなっています。
まもなく、声のマイク乗りも、バツグンに良くなるでしょう。
実感していますか?

JOY
はい、感じています。

會田茂樹
すばらしい!
良い耳をお持ちです。
やはり、インプットである 『聞こえ』 は超大事ですよね。
繊細な音の違いがわからなければ、声で再表現することはできません。
ん~、Good joy. いえいえ、Good job. で・し・た。(ちょっとスベッってるかも!!!)

JOY
あ、ありがとうございましたぁ。
じゃあ、またよろしくお願いします。
さようなら~。



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喉頭ストレッチング中の様子


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輪状甲状関節モビリゼーション中の様子






ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)





~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2010-03-12 17:14