むくみがある喉頭内部 (解剖報告)


米国メイヨークリニック喉頭機能外科教室で、数多くの Raw 摘出喉頭(解剖は医師)を触診研究しました。
目を凝らして観察し、繰り返し繰り返し繊細なタッチで触診していると、徐々に組織の状態がわかるようになってきます。
残された私たちに精進するよう訴えかけ、お優しいこの喉頭の持ち主は、中年男性のものでした。
お志に、心より深く感謝申し上げます。
この結果を活かし、必ず役立つ研鑽を続けることを誓いました。

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喉頭を真上から見た状態



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器具を用いて軟部組織の厚みを測っている様子



鮮明な写真や動画をお見せすることは憚り (はばかり) ますが、他と異なり、この方の摘出喉頭では、声帯のむくみと周辺組織の充血が確認できました。
それも、見逃してしまうほどの極小なものです。
もしかすると、風邪か花粉症のようなアレルギーだったのかもしれません。
触診では、粘膜表面のタッチ感が粗く、声帯を他動的に動かしても緩慢な感覚を得ました。
これでは、高音発声時の粘膜振動がうまくいかないと思われます。
また、粘膜も硬化傾向にあるためか、披裂軟骨の回旋もスムーズ感がなくなっており、きっとリズムやボリュームのコントロールも難しくなるでしょう。
タイミングによっては、声門が開きやすく、かすれ声や割れ音声が生じます。
喉頭内部の分泌液や雑汁も多くなると予想されますから、それらが声帯に付着すれば、鳴りはさらに悪化しますよね。
総合的に考えても、風邪や花粉症で声帯や喉頭内部がむくむと、発声の運動効率が落ちると結論できます。
つまり、声が悪くなるのです。
花粉症には十分注意しましょう。




ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




追記:くしゃみの正しい仕方は、過去の記事を参考にしてください。





~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice | 2010-02-28 00:43