胸骨舌骨筋と肩甲舌骨筋が舌骨近辺で癒着しているケース


声を出すとき、肩甲舌骨筋が浮き上がるひとの約5%が、胸骨舌骨筋と肩甲舌骨筋が舌骨近辺で癒着しています。(当サロン独自データ:下絵の青楕円部)
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様態は以下です。
発声時に肩甲舌骨筋が浮き上がるひとの、舌骨体下部あたりを丁寧に触って調べると、両筋の筋線維が統合している状態がつかめます。
両側のひともいれば、片側のひともいます。
これは病的奇形や異常でなく、個体差による正常範囲だと考えます。
実際、身体を解剖してみると、ひとの身体の中はあいまいです。
有るべき筋肉が無かったり、短いはずの靭帯が長く伸びていたり・・・
ひとそれぞれです。
体調に問題なければ、正常とみなします。
さて、胸骨舌骨筋と肩甲舌骨筋が舌骨近辺で癒着しているひとは、肩甲舌骨筋の浮き上がりと同時に胸骨舌骨筋も作動してしまうため、甲状軟骨が下制され不安定になり、声のコントロールが失われます。
決して声が出ないのではありません。
立派に声は出ます。
ただ、思い通りの声・楽な発声・素晴らしい歌声から遠のくだけです。
改善法です。
後天的癒着の場合は、両筋の筋膜をやさしくはがすような手技を施し、各筋の独立運動を促します。
繰り返しの手技が必要です。
癒着がなくなれば、驚くほど声が出やすくなります。(患者さま体験談)
これは、甲状腺摘出後の軟部組織瘢痕・癒着の治療と似ています。
甲状腺摘出後、反回神経麻痺を伴わないが、何となく声が出にくいひとが大勢います。
瘢痕部を軟化させ、血流を良くし、新生毛細血管を増やし、癒着部位をはがすことができれば、確実に声は良くなります。
ただし、かなりの根気な施術と、的確な手技が必須です。
①正確な場所の特定、②強さ、③深さが、かなり難しい。
場所や深さを誤ると効果はありません。
強すぎると筋膜炎をおこします。
本当に難度が高いのです。
さて、癒着とは異なりますが、声帯結節を繰り返し罹患しやすいひとも、肩甲舌骨筋の浮き上がりや過緊張を認めます。
反復難治性声帯結節は、体質改善的根本施療をお薦めします。
話がそれましたね。
なお、後天的のものは、癒着というより固着や接着に近いかもしれません。
次は、先天的癒着のケースです。
本当に稀です。
この場合、独立を得るのは難しいと考えられるため、何よりも肩甲舌骨筋の浮き上がりを治しましょう。
実験や経験上、ある部位の動きを捉えることができます。
残念ながらこれ以上はお話できません。
さらなる詳しい内容は、該当患者さまに、施術内でお伝えしています。

外喉頭筋は発声にとってキーポイントです。
声が出ないのでなく、素晴らしい声に欠かせないのです。
そう 『質』 の部分。
皆さんも外喉頭筋をケアして、発声力をアップさせましょう!





ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)





追記:舌骨付着部では、肩甲舌骨筋と胸骨舌骨筋が、上絵のように重なっていることもあれば、下絵 (青色楕円部) のように並列していることもあります。ヒトの身体って不思議ですね。
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~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2010-02-08 15:18