スーザン・ボイルさんの喉


昨年、彗星のごとく現れたスーザン・ボイル(Susan Boyle)さん。
とってもピュアで魅力的な歌声を披露し、一躍、世界的に有名になりました。
今回は、彼女の歌声の秘密に迫ります。
実は、まだまだ映像が少なく、集めるのに苦労しました。
私の場合は、とくに首周辺のアップ画像が必要です。
最新のもので、記憶に新しいのは、2009年大晦日のNHK紅白歌合戦に応援参加した映像です。
You Tube はもちろん、知人の音楽研究家からも精度の高いソースをゲットしました。
そして、徹底的に調べました。
まずは、微細な喉の動きと、繊細な音を見極めるために使用した機材をお教えしましょう。(自宅スタジオ研究室に設置)

《映像および直耳聴用のオーディオ》
モニタ1:シャープ アクオス LC-52RX1W
モニタ2:シャープ アクオス LC-26P1
モニタ3:シャープ アクオス LC-26DX2
DVDプレーヤー:マランツ DV6001 改造エアボウ
プリメインアンプ:シーイーシー AMP6300
スピーカー:ソナス ファベール グランドピアノ ドムス

《繊細聴用のオーディオ》
CDプレーヤー:シーイーシー SD3800
真空管アンプ:スタックス SRM-006t
コンデンサ型ヘッドフォン:スタックス シグネチャー

素晴らしい機材によって、多くの情報をつかみました。
映像チェックは、各音の瞬間の違いを把握するために、なんと、3台のモニタを駆使するのですよ。(なかなか大変です・・・)
今回、残念ながら、各種権利を侵害してしまうため、動画・静止画・音のチェックポイントをお見せすることができません。
言葉でお伝えできることは・・・
「間違いなく咽頭共鳴のマジシャンである」 ことです。
彼女の首は太く二重あごに見えますが、それは脂肪が極端についているのではなく、音色を構成する空間の大きさによるものだったのです。
シンデレラストーリーの話の内容から推察するに、後天的に獲得したものでなく生得的なものでしょう。
つまり生まれ持った大きな共鳴腔と、それを自由に動かす才能があったのです。
また、真空管アンプおよびコンデンサ型ヘッドフォンで、何度も何度もじっくり聴きこむと、声帯 Tension の不正確さによる音の揺らぎと、横隔膜の不整惹起のためかラフな息づかいとなる個所が多々あることに気づきます。
つまり、内喉頭の可動性能は一般人と変わらず、歌唱テクニックも完成には至っていないと思われます。
しかし、それをカバーして有り余る共鳴空間率と動作性の素晴らしさ。
お見事です。
この部分によって、パワーに満ちながらも、透き通るような音が作られています。
もし、映像を見る機会がありましたら、無声から発声に移行する際の顎下の状態を、つぶさに観察してください。
ここぞ (聴かせ所) というとき、グワッと膨張する瞬間があります。
また、唇 (くちびる) 動き方と、顎関節の下制運動も立派なものです。
喉頭周辺筋に関しても、筋張る (すじばる) こともなく、柔軟性を保持していると思われます。
舌に関してもわかりましたが、彼女のオリジナルの方法と思われますので、この場での公表は控えます。
以上、映像と音のみによる検証でした。
あぁ、触診してみたいなぁ~




ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




追記:下の絵は、甲状軟骨の大きさと、その Position の違いによる共鳴腔空間の様子を表しています。(なお、スーザン・ボイルさんの喉状態でなく、一般論を記載してあります)

特徴
★ 甲状軟骨の大きさ  ふつう
★ Positoin  やや深奥
★ 共鳴腔の大きさ  ふつう (体積が少ない)
★ 音色の特徴  若干響きが少ない
★ その他  舌骨が押し上げられ滑舌が悪くなる可能性あり
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特徴 
★ 甲状軟骨の大きさ  大きい (甲状軟骨翼も張り出している!)
★ Position  前に出ている
★ 共鳴腔の大きさ  非常に広い (体積が多い)
★ 音色の特徴  艶のある響きが期待できる
★ その他  喉頭が自由に動くため歌がうまくなる可能性が高い
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甲状軟骨は茎突咽頭筋と茎突舌骨靭帯 (茎突舌骨筋も含む) によってぶら下げられています。したがって、喉頭周辺筋に十分なストレッチングを施して甲状軟骨の移動性を確保すれば、下絵のような理想的な喉を作り上げることは可能です。ただ、曖昧な筋肉が相手ゆえに確定的でないのが玉に瑕 (たまにきず) ですよね。




~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2010-01-26 03:23