反回神経麻痺に要注意


声を良くするという 『ある民間療法』 によって、片側の反回神経麻痺の医療事故に遭った患者様がいました。
反回神経麻痺は、主に甲状腺および大動脈の手術やウイルス性疾患(この原因による症例は直接経験したことがありません)で起こることがあります。
その反回神経は、声帯筋や後輪状披裂筋の運動を司っています。
つまり、この神経が麻痺すると声帯が開いたまま動かず息がもれてしまいます。(その逆もあります)
そう嗄声です。
それも相当ひどい状態です。
両側麻痺の場合は呼吸困難になることもあります。
喉頭外傷によっても引き起こされますが、今回のケースは甲状軟骨周辺をむやみに強く圧迫しすぎたことによって麻痺したようです。
これは人為的な事故です。
反回神経は神経形状が複雑で一旦損傷すると回復の可能性が少ないため、この人は、生涯にわたって正常な声が出せなくなります。
本当に不幸な結果です。
未熟なマッサージやストレッチングの結果、反回神経麻痺・筋断裂・血管神経性反射失神を何度も目の当たりにしています。
これは医療ミスであり、決してあってはならないことです。
喉頭に何らかの力を加えるなら、徹底的に喉頭を勉強し尽くし、指先の感度を磨いてからにしてください。(何千もの喉を触診していると、すべてではありませんが反回神経や上喉頭神経の神経走行を判別できるほどになります!)
もし、誰かの喉をグッと触って、万が一、その後その人の声が一生出なくなったら、あなたは責任を取れますか?
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ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




追記:とくに、過緊張性発声や痙攣性発声障害などの症状をお持ちの方は、喉頭の筋肉が硬く、神経線維を筋肉に固着させたり巻き込んだりしていることが多々あります。しっかり見きわめなければなりません。事故が起きてからでは遅いのです・・・





~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice | 2009-12-05 14:44