痙攣性発声障害Ⅱ 追記特集


痙攣性発声障害(SD)Ⅱ

初投稿日:2008年4月28日
再投稿日:2016年4月5日

現在の医学で痙攣性発声障害(SD)は完治不可とされています。残念ながら喉頭枠組み手術やボトックス注射は対症療法にすぎません。そしてボイスケアサロンではSDの治療は行っておりません。各種アプローチや筋トレで、喉の体質改善をはかり、病気を乗り越える声力を養うのみ。手術したくない方や二度も手術した方など、多くのSDで苦しんでいる皆さまがお越しになっています。個人差はありますが、思ったよりも簡単かつ早期にに発力が高まるケースもあります。まずは外喉頭の現状を詳しく調べましょう。 



痙攣性発声障害Ⅰ の続きです・・・

ここからは追記特集です。痙攣性発声障害Ⅰの掲載以降に判明した最新内容を書き足しています。ご活用くだされば幸甚です。外喉頭から改善する施術は日進月歩で進んでいます。日常生活に差し支えないほどまで乗り越えたひとも大勢います。さあ、さらなる声の向上を目指しましょう!
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追記1:当院は耳鼻咽喉科のような医療機関ではありません。発声能力をUPさせる施術を行っており、医師の指示を除いて、直接的な音声障害の治療は行っておりません。特に、中等度および重症の痙攣性発声障害(ボトックス注射や喉頭枠組み手術が必要だと診断された症例)は扱っておりませんのでご了承くださいませ。軽度ならば改善の可能性はあります。手術を回避したい患者様が当院にお越しになりますが、症状に良悪の変化はあっても完治は難しいと存じます。その点をご留意いただき優秀な音声専門医に治療をお願いしてください。よろしくお願い申し上げます。



追記2:声帯可動の環境を整えて(ボイスケア)、声を出しやすくしてください。喉頭のパフォーマンスを上げることで日常生活に支障をきたさない程度まで改善するケースが多々あります。また、痙攣性発声障害(紙コップを用いて音声振戦症にも対応)のための発声訓練法もあります。ご参考になれば幸いです。

★痙攣性発声障害の患者様のための発声トレーニング




追記3:この痙攣性発声障害のブログ内容は、最新の情報が入り次第更新を重ねています。
會田ボイス整骨院は2009年9月1日より 【ボイスケアサロン】 へと名称が変わりました。施術内容もグレードアップして、SDの症状改善に取り組んでおります。
                       

追記4:10年以上のSD病歴を持っていらっしゃる方で発声をおおむねコントロールできている患者様を数名知っています。よく観察してみますと、ある共通項があります。それは、①自分の病気を受け入れている。②SDを怖がらずに病態を十分理解している。(症状が悪化しても窒息して死にいたることはありませんし、発症から1~3年で症状が底ピークになって、その後、良悪ナミを繰り返し、やや改善傾向を呈した段階で固定化されるケースが多いように感じます) 最近では、自分で漢方薬を研究して3種ほどを組み合わせて服用し効果を上げているいる患者様や、初音発声のタイミングをずらして楽にしゃべるテクニックを習得(まるで、いっこく堂さんみたいです)している患者様もいますよ。③これが最も大切だと思われますが、一様にポジティブな人が多いのです。少々の詰まり声を気にしない人間の大きさがSDの病気を少しだけ遠ざけます。明るく前向きに生きてくださいね 
2009/05/18



追記5:新事実や検査結果をどんどん投稿しています。検索で調べて最新情報をゲットしてくださいネ。



追記6:SDの方の多くが不良姿勢または肩こりで呼吸が浅くなっています。また、睡眠時の寝方にも問題がありそうです・・・。現在、鋭意研究中です!



追記7:ポジティブなSD患者さんはSD(完治ではなく症状をおさえこむ)を克服しています。 SDと電話に関する話題もあります。 



追記8:痙攣性発声障害 鍼灸アプローチ 報告 



追記9:半数以上は痙攣性発声障害になった原因がわかりません。原因があっても「これだ!」と断定できる人は少なく、「部活で大声を強いられてからだと思う」「会社で電話クレームの担当になってから症状が出てきたような気がする」「風邪をひいてガラガラ声になり、風邪が治ったあたりから声が詰まりだしたように感じる」など正確ではありません。そして耳鼻咽喉科に行きます。まずは近所の。しかし声は出ているため「軽い炎症かもしれませんので様子を見ましょう」「声帯はきれいですから問題ありません」と言われます。その後も苦しみ、探しに探して、音声専門病院へ行きます。そして「痙攣性発声障害ですね」と伝えられます。実は、多くの患者様は自分の病名が判明するまで大変な葛藤をします。病名が分からない不安、インターネットで調べ何となくSDではないかと感じているが病名を宣告されたくない気持ち、人生すべてを含めた先行きの心配など。複雑な気持ちが交錯します。それでも、病名を告げられるとホッとする人も多いと聞きます。(大勢の患者様からの談)
本当にお辛いと存じます。私も甲状腺腫瘍があり、いつ癌化するかと不安におびえています。そして、ときに腫瘍が上喉頭神経外枝を圧迫するのか、「声が出難い」「高音が出ない」「ややかすれる」「むせる」などの症状を呈し、しゃべるのが億劫になってしまいます。SDの皆様の辛い気持ちも痛いほど分かるつもりです・・・



追記10:当サロンおよび病院で扱ったSD(ボトックス併用・手術前後・疑陽性など含む)症例が300を超えました。SDの増加はアメリカ合衆国で報告されていますが、日本でも徐々に増えているように思います。また後輪状披裂筋・外側輪状披裂筋・斜&横披裂筋の痙攣だけでなく、丁寧に筋状態を調べていくと、甲状披裂筋も大いに関与していると考えます。さらにSD症状発症にともない、喉頭周辺筋の弛緩バランスが狂って硬化するケースがほとんどで、嚥下のための咽頭収縮筋や輪状咽頭筋・茎突咽頭筋などの筋緊張の影響も見逃せません。個人差が激しいのも特徴で、筋肉が途中でなくなっていたり二つの腹に分かれていたり筋肉どうしがひっついていたり走行角度が極端に違っていたり・・・、誰一人として同じ構造でないと言い切っても良いかもしれませんね。加えて可動しているときもあれば動かないときもある。例として、以前は「おはようございます」の「お」など初音が詰まって言い難く、その際に後輪状披裂筋の痙攣と肩甲舌骨筋の過収縮が見受けられましたが、当サロンの術後には初音は出るようになったものの、嗄声が増したことと、「おはようございます」の「ご」が詰まってきました。その際の変化として肩甲舌骨筋の浮き上がりは減少し、甲状軟骨の上下運動が盛んになった気がします。詰まりや震えは減少した感覚を得ますが、電話や喧騒な場所での発声により症状は復元してしまいます。(術後に休日が続くほど効果があり、学校や仕事に戻ると症状が悪化する人も見受けます) 正確な筋運動を見極め、他動的にアプローチしてチューニングすれば声が激烈に改善することも分かってきました。ただし前述のごとく個体差があるため、その場所やタイミングや強弱などを見つけるのが至難の業です。You Tubeに二つの症例をアップしますのでご覧ください。かなり研究を重ねていますので、全員に朗報とはいきませんが、的確にお役に立てる施術が可能になってくるかもしれません。さらなる研鑽をお約束いたします・・・。

★ 痙攣性発声障害 甲状軟骨スライド改善



★ 痙攣性発声障害 甲状軟骨引き出し改善



「なぜ声が良くなるのか?」は、ある程度判明しています。どの筋肉とどの軟部組織が関係してこの結果になるかも分かっています。とくに引き出し法の患者様は甲状軟骨形成術Ⅱ型後(つまり手術で甲状軟骨の正中を割ってチタンブリッジ2つを入れ声門閉鎖力を緩和していますが、実は術後も声帯が過内転して声が詰まり震えています)です。筋感覚とレスポンスを向上させれば自己再表現の一端として苦にならない発声を勝ち取ることができるでしょう。
2009/11/20



追記11:私のSDに対する正直な気持ちをつづりました。 「私の思い・・・ 痙攣性発声障害に関して」 お読みくだされば幸甚です。



追記12:SDの手技改善ビデオを追加しました。また過緊張性発声障害改善の体位改善法もあります。前屈で甲状軟骨の重みを利用して筋弛緩と共鳴腔構築を目指し、腹を突き出しオトガイを引くことで肩甲舌骨筋をゆるめる後屈の、二法です。SDでも効果のあった人もいました。前屈法は主に男性で甲状軟骨が大きい人向きです。後屈法は肩甲舌骨筋の強度Tightな人向きです。ただし胸鎖乳突筋が張っている人は難しいようです。また後屈しすぎると腰椎を痛める恐れがありますので腰痛のある方はお避け下さい。

★ 痙攣性発声障害 輪状甲状関節屈曲改善



★ 過緊張性発声 改善二法 前屈と後屈




追記13:発声の仕方になりますが、かなり効果的な方法がでてきました。過緊張助長弛緩法です。最初に、効果が期待できる適応症例であるかどうかを調べます。実は、痙攣性発声障害内転型も外転型も筋肉に関し、ある共通の特徴があることがわかりました。それは、筋力の左右差です。健常のひとにも存在することもありますが、少ないのです。しかし、SDのひとは必ずと言っていいほど左右差があります。主に、内喉頭 (後輪状披裂筋や外側輪状披裂筋など) に現れるのですが、その影響が外喉頭筋にも出現し、外皮からも視診と触診で探り当てられます。また、喉頭ファイバーで検査しても、声帯の微細な動きの左右差を目で確認できます。さて、その筋肉の左右差によって、右と左で、①筋肉の硬さや張り方が異なる、②動きだす順番がある(どちらか一方が遅れて動きだす)、③シンメトリーでない動きによって発声が狂う、のがわかりました。そこで、左右を比較して、声を出す瞬間、硬さが増している側、あるいは、痙攣初動する部位を見つけ出します。声の改善法は、該当側に下顎を向けつつ、舌を立てて奥に引き下げながら、甲状軟骨をややダウンさせた状態で、喉全体に力をグッと入れます。力んで 【りきんで】 構いません。最大のパワーで数秒間おこなってください。そして、その状態から、元に戻しながら (正面を向いて舌を平らにする) 一気に力を抜き、その一瞬のタイミングを合わせながら声を出します。方法やポイントを外すと効果はまったくありません。ずいぶん難しい技法ですが・・・。相当のバランス感覚・運動能力・根気が必要ですね。しかし、バッチリ決まると、SDが治ったのかと錯覚してしまうほどの大きな効果があります。慣れてくれば、大げさなアクションなしでできるようになり、本当に楽に発声できます。相手への聞こえも良くなりますから、「えっ?」 とか 「なに?」 と聞き返されることもなくなるでしょう。ご参考までに。



追記14:痙攣性発声障害の方々の上喉頭動脈の血流速度を計測すると、必ず5㎝/s以下の値がでてきます。ここにも突破口があるのではと信じています。なお、2.4㎝/s以下のときは、呼吸を拾ってしまうため、データ数値の正確さに欠けることを付記しておきます。



追記15:SD外転型のアイシング法
痙攣性発声障害外転型に対して、後輪状披裂筋へのアイシングを試みました。もちろん皮膚・皮下脂肪・筋膜・広頚筋・肩甲舌骨筋(一部)・下咽頭収縮筋が介在するため、ダイレクトではありませんが、喉頭周辺筋を適切に弛緩させ、甲状軟骨を反転させて、ターゲットにアプローチします。機材は、アイスクリッカーとスプーンです。アイスクリッカーは、圧着面が小さいものを、スプーンは柄の細いものを選びます。アイスクリッカー内には氷と塩を入れてシェイクするため、金属面は氷点下になります。スプーンは冷凍庫でキンキンに冷やしておきます。正確に後輪状披裂筋を探り当て、アイスクリッカーで60~90秒間アイシングします。深い場所にはスプーンの柄先を用います。もし、痛みを感じる場合は中止してください。2~3分の休息をはさんで約5回繰り返します。突然、後輪状披裂筋の痙攣様動作が一時的に終息し、声が割れることなく、通常発声が可能になります。ただし、永続的ではありません。
効果が現れるポイントは3つ
① 喉頭周辺に十分な柔軟性があること
② 正確な場所に当てること
③ 運動性を確保するために、上喉頭動脈の血流を増やしておくこと
驚くべき好結果のケースもありました。お試しください。



追記16
当サロンで痙攣性発声障害外転型を乗り越えたひとからのメールです。
ご許可をいただいて掲載しております。

当初は、思うように声が出なくなり、日常生活に支障をきたし、職も失いました。
根治でなく、発声効率の向上を目指し、施術を行ってきました。
とても長く苦しい闘病生活でした。
それでも、あきらめず、「良くなる!」を信じて通ってくださったお姿には、涙をさそわれました。
現在は、ご自身のつまり感も、他者からの聞こえ難さも、ほぼ無くなっています。
ごくろうさまでした・・・
そして、おめでとうございます・・・
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2/2にそちらを無事卒業しました、〇〇です。
長い間大変お世話になりました。
初めの頃を思い出してみると、今でもとても辛く、身の凍る思いがします。
たぶんこの思いは、一生心の片隅にあり続けますが、だからこそ (大げさと思うかもしれませんが、笑) これから先の困難や辛い事は 『自分なら大丈夫、乗り越えられる』 と強く思える様になりました。
ここまで面倒みてくださった先生方にはとても感謝しています。
人生何が起きるかわからないので、万が一またお世話になる事もあるかもしれませんが、私自身症状を悪くしない様に十分心掛けます。
おそらくこの感謝の気持ちを言葉で伝えきる事はできませんが…
本当に、本当にありがとうございました。
平成22年2月12日



追記17:下顎突き出し発声法
SD症状(喉の詰まり感・途切れ声・かすれ・割れ声など)が強くなったとき、下顎(オトガイ部)を思いっきり前方(水平方向)突き出して、発声してみましょう。

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開口は、痛くない程度に、それほどしなくてもかまいません。顎関節のダブルアクション(ヒンジ運動とスライド運動)のうちの、スライド運動を利用します。一人で数分しゃべっていると、症状が多少緩和されることがあります。もちろん、正しい言葉にならず、何を言っているかわからない状態です。したがって、他者との会話の途中では無理です。また、SDを完治させる運動にはならず、あくまで、症状増悪の緊急打開策にすぎません。
考察は以下です。
下顎をしっかり前方移動させると、舌骨が引き出され、咽頭共鳴空間が大きくなります。実は、声の質を決める腔としては、咽頭腔が最も役割を担っていることがわかっています。そこで、この空間を広げ、痙攣様病態を封じ込めるのでなく、音を良くして無駄な筋緊張を取り除くのが理論です。これまでは、この理論だけであると思っていましたが、最近、さらなるプラス理論が判明しました。それは、舌骨が前方移動すると同時に、甲状軟骨も連動して前に動きます。その際、披裂軟骨の運動性がアップするのです。詳しい理由はわかりませんが、一つは深奥Positionが回避されるものと考えています。そして、もう一つは、顎関節の動きがスムーズになることです。SDと顎関節に関して調べていますが、おおむね顎の動きが悪く、開口がシンメトリーでないケースをちょくちょく見受けます。これからの研究課題ですね。ともあれ、お試しください。



追記18:痙攣性発声障害外転型 襟プッシュダウン発声法
当サロンにお越しになる外転型SD患者さま数名に、襟(えり)プッシュダウン法をお教えしたところ、75%のひとが効果的とお答えになりました。恒常的効果を求めるものではありませんが、苦手な言葉やシチュエーションのとき、使ってみると、楽に乗り越えられるかもしれません。
《方法》
ジャケットやシャツなど、襟付きの洋服の下端を両手で握りしめます。最も苦手とする言葉の発声する瞬間の0.8~0.2秒前に、思い切りグッと引き下げます。ポイントは、襟の上部が頸椎の第6番目と7番目あたりにかかり(赤丸部)、その前面が胸鎖乳突筋の鎖骨停止部位上を通過し(緑丸部)、垂直下方向に力が入る(青矢印部)ような形態がベストです。
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そして、何よりもタイミングと強さが最重要。全員、初めはうまくいきません。「これは効果ないよ~」と必ずおっしゃいますが、何度も試して感覚をつかむと、おもしろいように痙攣性発声を封じ込めるようになります。そう、センスと相応の訓練が必要です。

快癒を求めるものではありませんが、楽に発声したり、正常発声を惹起したり、声に自信をつけさせたり、声と息の流れをつかんだり、改善の方向性が感じられる素晴らしい手法の一つです。さあ、果敢にチャレンジしてください。ポジティブな思考と積極的な行動力が、この病気の克服の最初の一歩です。なお、本当に繰り返しの練習が大切ですよ。會田茂樹が、正しいコツを詳しくお教えしますので、一緒にやってみましょう!



※動画はPCでご覧ください



~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。




 
by aida-voice | 2016-04-05 15:55