甲状腺腫瘍


甲状腺に腫瘍あるいは腫瘤ができることがあります。
多くは良性ですが癌のこともあります。
大きさによって経過観察であったりエタノール注射であったり手術摘出であったり・・・
まず温存した場合、腫瘍形状(大きさ・厚み・硬さなど)と存在場所によっては「高音が出ない」「声が出し難い」ことがあります。
これは上喉頭神経外枝を圧迫するからです。
まったく声が出なくなることはありません。
ほとんどが、「何となく・・・」のレベルです。
でも、声に問題があるのは確かで「しゃべるのが億劫になる」「喉が詰まる感覚がする」「人と話すのが嫌になる」「高音が出ないので歌っても楽しくない」「微妙にかすれる」「声が張れない」「むせやすくなった」と訴えます。
同じように甲状腺摘出手術を受けた後に発症する人も多くいます。
もちろん反回神経麻痺の場合は声帯が不可動となりますので正常な声にならず日常生活も困難になります。。
先日、甲状腺疾患専門:伊藤病院:院長:伊藤公一先生とお話しましたが、手術時には反回神経や上喉頭神経外枝には細心の注意を払っているが甲状腺と神経の位置に個体差があるため仕方ないこともあるそうです。
癌がリンパ節や肺に転移すれば生命にかかわってきますので、やはり『声』より『命』の優先が正しい答えだと思います。
これまでは対処方法がありませんでしたが、フラップマッスル(広頚筋、胸骨舌骨筋、甲状舌骨筋、肩甲舌骨筋など)の状態や動きを見極めれば改善方法が見つかることもわかってきました。
ここから各論です。
腫瘍圧によって上喉頭神経外枝が不全麻痺形態となります。
これは、正座をして膝窩神経(ひざの裏の神経)が圧迫を受け続けると、足指が痺れて立てなくなるのと同じようなものです。
これと同じで、神経伝達がうまくいかないためか、輪状甲状筋の動きが悪くなります。
輪状甲状筋は声帯筋と声帯粘膜の伸長を担っています。
声の張りや高音に関係します。
したがって輪状甲状筋が可動しなければ、間違いなく、声帯が弛んで声門が開き過ぎて嗄声(かすれ)が生じたり、声帯の伸び率が衰え高音が出なくなったりします。
絞扼までいかなくても圧迫が長時間続いて、前筋麻痺や筋萎縮したケースもありました。
声だけに関すれば、放置してもしゃべれなくなることはないと考えますが、より良く改善を促進するためには喉頭環境のケアが不可欠ですね。
お大事になさってください・・・
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ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)










追記

実は・・・、私も甲状腺腫瘍に罹っています。最近、伊藤公一先生にご高診いただき判明しました。左葉です。肥大化および癌化しないよう観察しています。このごろ、ときどき声が出難かったり高音発声がしにくかったりしていました。風邪を引いていないのに、むせや空咳も多くなりました。やはり上喉頭神経外枝への圧が強まったときに症状がでます。

今般、いろいろな理由から声が出難い皆さまのお気持ちがひしひしと本気で理解できました。自分を実験材料にできるため、その意味では腫瘍に感謝しております。

現在、当サロンで自分自身によるケアによってなんとか美声を保っています。(私の声が悪くなったら説得力に欠けますからね。ステキな声と言われるよう努力していますよ!-笑-)







~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice | 2009-10-26 16:20