喉周辺のリラクゼーションの構築と維持


ピアノ(P)およびピアニシモ(PP)の実験報告で「複数回の施術で喉頭の柔軟性を獲得し自由に動く喉を作ります」と記載しました。
喉頭の柔軟性の獲得とはどのようなものなのか?との質問を多数いただきました。
一言で言えば「喉周辺のリラクゼーションの構築と維持」でしょう。
どのような場合でも、運動能力を阻害する主要因は 『過緊張』 です。
バッターボックスに入ってガチガチに緊張した状態でヒットを打ち続けることができると思いますか?
ガクガク指を震わせながらバイオリンを弾いて観客に感動を差し上げることができると考えますか?
そう、運動能力を最大限に引き出すには過緊張は大敵なのです。
また、声は、声帯を含め、すべて筋肉(軟部組織)で構成されています。
喉の中にスピーカーが入っていたり妖精がいたりしません。
以前、喉の奥には妖精が住んでいて、その妖精が声を作るのだから會田の説は間違っているとご指摘くださったボイストレーナーがいらっしゃいました・・・
この例えは非現実的メルヘンですが、最近、研究していて軟部組織の個人差や曖昧性に行き詰ることも多く、「あながち嘘でもないかなぁ」と感じることもありました。
話しを戻し、喉頭の筋肉たちにリラクゼーションを与えると、驚くほど声が良くなります。
この良くなるポイントは①声の張り感②フォルマントの拡大③響きの良さ④言葉の明瞭さ⑤声質の艶の増大などでしょう。
本当にびっくりすることも多々あります。(しかし耳が鍛えられていない患者さんはこの改善した声の変化に気付きません)
これが、喉頭のリラクゼーションの構築です。
これには当サロンでの緻密な施術が必須となります。(なぜなら、①喉頭の筋群は小さく複雑であること、②各筋の存在場所と動き方を正確に知っている人は皆無であること、③喉頭の組織が繊細かつ弱小ゆえ、無茶な施術は危険であるからです)
残念なことに即時効果はあるのですが、即時復元するのも筋肉の特徴です。
早いと数時間で、遅い人で1~2週間でしょうか。
何度か繰り返し喉頭にリラクゼーションを与えると、それらの復元する時間が伸びてきます。
つまり筋感覚が研ぎ澄まされることと筋記憶が明確になってくるためです。
これによって恒常的に喉頭のリラックス効果が保持できます。
この状態のとき、非常に声が出やすくなっています。
歌を歌っても思い通りに表現できます。(意識しなくても高音・低音・FF・PPが自然に発声できるのです!)
朗読すれば、誰もが息を飲むほど魅力的な声がスルッと出てきます。
発声障害の人は、病因そのものが治癒するものではありませんが、声を出すことが楽になります。
治ったときの感覚を取り戻すことが可能となり、それが継続すれば日常生活レベルの発声には問題なくなります!
このように喉頭のリラクゼーションの維持も大切になります。
さらには研究に研究を重ねた施術で、喉頭内部の血流(主に上喉頭動脈や上甲状腺動脈など)が増進し、その結果、酸素および栄養供給が潤沢となって声帯振動能力が向上することもわかってきました。
そうです、直接的に声を良くしたり病気を治したりするのではなく『声を出しやすい環境を整える』のが役目と考えています。
美声へのお手伝いですね。
機能性がアップできれば自由自在の声は獲得できます。
その一部としてピアノ(P)やピアニシモ(PP)の話題を取り上げたのです。
歌唱テクニック以前に、喉頭環境が整備されていなければ求める発声は不可能です。
これだけは間違いありません・・・



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調律せずギシギシ鳴る鍵盤のピアノを弾きたいですか?
錆びた絃のアコースティックギターを弾きたいですか?
立位体前屈で床から指先まで30センチも離れている体の硬さでスポーツが上達しますか?
肘が90度までしか伸びない関節でゴルフをプレーしたいですか?



ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)



追記:声が良い・歌が上手いと言われる方々の喉を触診させていただくと、無声時どころか発声時でも、もれなく喉頭が柔軟性に富みリラックスしていますよ。



~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2009-10-25 14:07