肩甲舌骨筋の浮き上がりは不要!


発声時に肩甲舌骨筋が浮き上がる人は上手な発声をしているとは言えません。
もちろん感情を込めたり熱唱したりするときは構いませんが・・・
多くの症例を診てきた結果『い』と『さ行』の発音時に大きく浮き出る人は特に要注意です。


肩甲舌骨筋
起始
下腹 肩甲骨上縁と肩甲骨上靭帯から起こり胸鎖乳突筋の下面で腱様組織となる
上腹 上記腱様組織から上方に向かってのびる
停止 舌骨体の下縁(後端に近い部分)
機能 舌骨を固定し、舌骨と喉頭を引き下げる
神経 第2および第3頸神経の内側枝と舌下神経下行枝よりなる頸神経ワナ
動脈 舌動脈の舌骨枝、上甲状腺動脈の胸鎖乳突筋枝
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肩甲舌骨筋は二腹筋形状であり、ヒトの筋組織でこのような形は他に顎二腹筋と眼球を回旋する上斜筋だけです。
そして肩甲舌骨筋は発声には「必要ない」と言い切っても過言ではありません。
この筋が過剰に動作すると、甲状軟骨を深奥へと押し込んでしまいます。
そして喉頭の自由な可動を制限し、構音を阻害します。
また披裂軟骨の回転性も悪くなり、ひどい場合は声門後部が若干開いて声がかすれがち(嗄声)になります。
さらに聞こえとして最も大切な喉頭室、梨状陥凹、咽頭の共鳴腔をつぶして狭くなり、響きが少なく、こもった声になります。
実際、肩甲舌骨筋のある部分を押さえ、その動きを止めて発声すると、艶のある良い声が楽に出ます。(上腹と下腹のバランス関係および筋硬度によって個人差があります)
ときどき鏡を見ながら肩甲舌骨筋の浮き上がりを確認しましょう。




ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)



追記:肩甲舌骨筋の浮き上がりを治すには、①Ultrasonic3MHz1.5W照射、②筋腹に沿った的確なMassage、③ストレッチングが必要です。また肩関節と肩鎖関節の動きに注目すると早期改善が可能となることもわかってきました。(そして呼吸に関与します!)
ただし、症状が強い場合は、ジストニア(神経障害)の可能性もありますので、詳しくは専門医にお尋ねください。




~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2009-08-24 05:11