「食いしばり」「噛みしめ」と「過緊張性発声」の関係


食いしばりや噛みしめをする人は過緊張性発声しやすい可能性がわかってきました。
起床時に顎関節周辺が硬く疲れている人は要注意です。
そう、気付かぬ間に食いしばりや噛みしめを起こしているかもしれません。
さて、食いしばりや噛みしめを訴える患者様の喉頭を詳しく調査すると、二つのある共通の事実にたどり着きます。
一つは、甲状軟骨の位置より舌骨が頚椎方向に深く存在していることです。
二つ目は、茎突咽頭筋、茎突舌骨筋、顎二腹筋、舌骨舌筋、オトガイ舌骨筋、顎舌骨筋などいわゆる舌骨上筋群がTonusになっています。
ほぼ漏れなく、この傾向にあります。
したがって、食いしばりや噛みしめがある人は声に影響します。
喉頭周辺筋の感受性豊かな人は「食いしばりがあった朝は、声が平坦でかすれている」「噛みしめで顎関節が痛いときは、やたらと滑舌が悪い」「歯ぎしりをした翌日は、高音が出ない!」と訴えます。
当サロンでは、食いしばり・噛みしめ・歯ぎしりを治す治療はしていません。(それらを専門とする歯科や口腔外科で診てもらいましょう:治療法としてマウスピース・プレート・ボトックス注射・手術などがあるようです))
ここでは、声を良くするために、咬筋および顎二腹筋のマッサージとストレッチングをお伝えしましょう。
実際、この二つのアプローチで、声に関してはかなりの改善が期待できます。




咬筋のマッサージ

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食いしばりや噛みしめの人が行うマッサージとして、多くは顎関節周辺を行っています。
これは疼痛を除去したり顎関節の動きを良くしたりするには最適な方法です。
しかし声にはあまり影響しません。
そこで咬筋を緩めてスムーズな開口を促すことで声に好影響を与える趣旨です。
咬筋の位置をしっかり確認しましょう。
下顎角より後方でないことを頭に入れてください。
筋線維はもちろんのこと筋腱移行部のマッサージが重要なポイントになります。
頬骨下縁からニ横指下を中指と示指の二本で円を描くようにしっかり揉みほぐします。
そのまま下顎体下縁までゆっくり下がっていきましょう。
痛くない程度で多少強めが効果的です。

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次に顎二腹筋です。
この筋肉は連続して筋腹を二つ持つ変わった筋ですね。(前腹と後腹)
起始停止をしっかり把握してください。
耳の後ろにボコッと膨れた骨がありますよね。
これが乳様突起です。
ここが起始です。
そこから舌骨の小角に向かいます。
そして前腹となって下顎骨体の下縁裏面にあるニ腹筋窩に付着します。
さあストレッチング手技です。
乳様突起に母指を押し当てましょう。

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そのままゆっくり圧をかけながら舌骨に向かっていきましょう。

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舌骨小角から方向転換しオトガイに進みます。

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じっくり力強く行ってください。
これも強めが効果的です。(リンパ節が多く存在する部位なので十分注意してください。また後腹中央部近辺では頚動脈洞がありますから血管神経性反射を起こし失神しないよう十分に留意しましょう)

頻度・程度・回数は個人で異なります。(その人に見合った具体的方法は、喉頭を詳しく検査した後となりますので、ボイスケアサロン施術中にお気軽にお尋ねください)
多くは、寝る前と起床時がベターでしょう。



ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




追記:過緊張発声でお悩み方は、一度、食いしばり・噛みしめ・歯ぎしりの有無も確認してください。これらが緩和したとたん過緊張性発声が良くなった症例もありました。




~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2009-06-22 14:48