マリア・カラス 外喉頭から見た声の変化 私的考察


何度かパリのオペラ座でオペラを鑑賞しました。
1989年まではガルニエ宮でしたが、最近はバスティーユでのオペラ公演がほとんどですね。(ガルニエ宮ではバレエを観ます)
その昔、1958年と1964年にマリア・カラスはこのオペラ座でパリ公演を開催しました。
往時に思いを馳せ、感慨深いものです。
そこで、その時の映像を元に、彼女の喉頭と声の関係を探ってみました。
これまで、マリア・カラスに関しては、多く語られ、語り尽くされた感があります。
その大半は、1960年頃を境に声が変化したと言われています。(1964年「ノルマ」の終幕で高い“ハ”の音が割れ、彼女はオーケストラを止めて歌い直し、大騒ぎになったことがあるそうです・・・)
加齢による声の衰えや、ギリシャの海運王オナシスとの愛の破局による精神的混沌など諸説あります。
重厚な中低音から透明感ある超高音までストレスなく発するドラマティコ・ソプラノ・ダジリタの声質を持つマリア・カラス。
ここでは喉頭から現象と原因を報告します。(この発表は私的考察です)
数少ない彼女の映像から、甲状軟骨の位置と周辺筋の緊張度合が判断できる場面を探しました。
根気よくDVDを何度も何度も見直し、多大な時間を割きました。
詳しくは他の媒体で報告しますが、ここで簡単にお伝えします。
1960年以前の調子が良いとされているときの喉頭は、非常にflexibleで、女性としては珍しい喉頭隆起が確認できます。(画像を参考に作画)
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それに比べ、1960年以降の不調だと囁かれている歌唱時の画像を精査すると、喉頭周辺筋にtensionが見受けられ、喉頭は深奥に位置している様子〔LDP〕がわかります。(画像を参考に作画)
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画像が鮮明でないため詳細な筋肉までは判断できませんが“喉に力が入っている”状態だと言えます。
どのような理由でこのようになったのかはわかりませんが、声の色艶と音程を含む繊細なコントロールがし難くなっているのは間違いありません。
また、マリア・カラスの経皮的外喉頭の特徴として、舌骨最前部から下顎骨オトガイ部までの距離が長いことが挙げられます。
この距離の長さによって特筆すべき素晴らしい共鳴腔の構築がなされたのでしょう。
このような考察からも、どうすれば人を感動させる良い声が出せるかがわかってきますね。
皆さんも思い通りのステキな声を獲得してください。




ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




追記:ここには静止画を載せましたが、動画で丁寧に確認すると、喉頭の様子がさらに判り易いと存じます。優秀な歌手の映像から役立つ情報が必ず得られます。あなたも目標の歌手のDVDを入手して、喉頭周辺・口顔顎周囲をしっかり観察および研究してください。きっと勉強になるはずです!




~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2009-06-01 09:50